ウェブ進化論
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
- 購入: 61人 クリック: 996回
- この商品を含むブログ (2353件) を見る
年末年始に,30冊位本を読み漁った.2007年に向けて,何を実行すべきのヒント探しのため.なかでも,かなり衝撃をうけた1冊がこれだ.本の内容もさることながら,何も知らない自分にだ.
概要
インターネットの可能性の本質
- 放っておけば消えていってしまうはずの価値(金,時間の断片)といった無に近いものを,無限大に限りなく近い対象から,ゼロに限りなく近いコストで集積できたら何が起こるのか.
オープンソース開発者は世界で200万人を超えた
「次の10年」を変える「力の芽」の判断基準
- 「力の芽」が「持てるもの」によって忌避される類のものである一方,「持たざるもの」にとってはもの凄い武器であるときにその「力の芽」は着実に育つ.
- 1つ前の原理原則で動く仕事において失うものが大きいほど,過小評価し否定する.Linux
ネット世界の三大法則(リアル世界では絶対成立し得ない)
- 神の視点からの世界理解
- ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
- 無限大×ゼロ=Something,消えて失われていったはずの価値の集積
グーグル
- 知の世界の秩序の再編
- 「こちら側」から「あちら側」へ
- 「あちら側の巨大な情報発電所」 30万台のPCが24時間稼動
- グーグルの競争優位の1つは,優秀な人間が泥仕事を厭わず自分で手を動かすという企業文化にある
新しい富の分配メカニズム
ゲイツのいう SuperSmart 「マイクロソフトウェイ」より抜粋
- 新しい知識をすばやくリアルタイムで飲み込む能力.
- 鋭い筆問をする能力.
- 異なる分野の知識を関連つけて理解する能力
- プリントアウトされたコードを一目みただけで理解できるほどプログラミングに長けていること.
- ドライブや食事のときまでコードのことを考えているような熱意.
- 極度の集中力.
- 自分が書いたコードを写真のように思い浮かべられる能力.
ヤフーは人で,グーグルは自動で
- グーグルニュースは,ニュースサイトを全て巡回し,緊急性/重要性を自動的に判断し,優先順位付けし,自動編集してしまうサービス.
アマゾン
「あちら側からAPIを公開する」
自分にとって意味のあるものだけを自動抽出することの重要性は高まるばかりだが,その実現は難しい.この領域には,技術的にもビジネス的にも,未開の荒野が広がっている.
玉石混合問題解決と自動秩序形成システム
「個」→「全体」: リンクを張るという個の行為を集積して,検索エンジンの全体の価値が創造された.
- 「全体」→「個」→「全体」: Wikipediaは全体先にありきの空間の中で,個の営みを集積.
- 「個」「全体」がどちらが先でもいいのだが,「個」が「全体」のためにワークすると同時に,
- 「全体」が「個」のためにワークする仕組みがうまく循環することで,自動秩序形成システムが生み出される可能性は大きい
- ソーシャルブックマーク,フォークソノミー
- 写真,音楽,映像に対する,検索エンジン×自動秩序形成システム などまだ全く存在しない.難しさは2つ.分類,整理が技術的に難しい.ユーザ要求の厳しさ(特に動画は評価に時間がかかる)
- ブログでは飯は食えないが,信用創造装置,舞台装置としてのブログの意味合いは今後ますます高くなる.