MY JOB WENT TO INDIA

My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド

My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド

「既に時代遅れである」「君は既に職を失っている」.ギクッときた人はいないだろうか?著者は1年半のインド赴任(オフショア開発)の経験をもとに,ソフトウェア開発者の将来について警鐘を鳴らし,その困難に立ち向かう方法を説明している.

個人のキャリアを「製品」にたとえて,市場選び,製品への投資,実行,製品の売り込み,といった4つの側面から具体例を交えて説明している.多少,比喩が偏っていたり,要求が高度だったり,アメリカ向けの内容もあるが,読んでおく価値は十分にあると思う.自分が中流下流エンジニアだと思う人は.

最近の僕の関心事がズバリ書かれていて非常に参考になる.各項目の「今すぐ始めよう!」が具体的でなかなか良い(メモに★付加).すぐ付箋だらけになってしまった.

メモ

状況は変わっている

  • 17%減少: 2000年から2004年の米国IT業界のプログラマ
  • 60000人カット: 2005年第1四半期,米国テクノロジ企業のリストラ数,全同期比2倍
  • 37%増加: 2004年 IT業界のアウトソーシング
  • 500億ドル: 全世界のオフショアリング市場規模は2010年までに2倍
  • インドのプログラマの給料は米国の1/10

市場を選ぶ

  • コーディングはもう武器にはならない
    • 自分の時間をどんなビジネスに投資するか,今こそ考えよう: どんな企業と業界で働くか.
  • 先んずるか,やられるか
    • 当時JAVAが主流になるかもしれないなんて誰が予想しただろう?
    • 商品の採用曲線(Adoption curve)のどこを狙う?
    • ★現在の市場におけるテクノロジの年齢を,若年,中年,老年に分類し,リストにまとめ,自分の経験で色分けし,分布を分析する
  • 万能選手になろう
    • いざとういときに,彼(ビジネス屋)の頭に名前が浮かぶような人間になる.起こり得る問題を解決できるかどうかとうい柔軟性.
    • ITキャリアの切り口.仕事上の地位.プラットフォーム/OS.コードvsデータ.システムvsアプリ.ビジネスvsIT.
    • ★自分の知識と技能がどんな切り口で有効か書き,学ぶべきトピックを書く.
  • スペシャリストになろう
    • ほかに何も知らないことがスペシャリストだって勘違いしてるんじゃないか
  • 一番の下手くそでいよう
    • ★フォーラムや開発者GpMtgに参加する.オープンソースプロジェクトに参加する.

製品に投資する

  • ビジネスの基本(財務処理のしくみ等)を理解する
    • ★「10日で学ぶMBA」を読む
  • 師匠を探す
    • ★師匠となる人物の特徴を10個挙げてリストにする.10段階の重要度をつける.自己評価する.師匠との差分を計算する
  • 師匠になる
    • 誰かに教えてみれば,自分が本当にわかってるか否かはっきりする.
    • 師匠は解雇されにくい.金銭的な報酬と違い,インフレになっても価値が下がらない.
  • 自動化によって仕事を確保する

実行に移す

  • 僕らは価値を生み出すことで報酬をもらってる.椅子に座って本を読むのを止めて仕事をやり遂げるっていう意味だ.能力があるだけじゃ成功できない.
  • バケツ一杯の水の中の小石ひとつ
    • CIO(最高技術責任者)は毎朝,「今の地位からいつたたき落とされてもおかしくない」を意識してはっきり自分に言い聞かせることにしている.
  • (みずから自立して)計画を立てて実行し,結果を示す

マーケティング

  • 視点が違えは認識も異なる
    • 人によって君との関係や役割は違うだろうけど,みんな君と付き合う上で一番重要な要因に基づいて君についての認識を形成している.
    • 自分に対する他人の認識を決めている要因を十分に注意すれば,顧客(チームメイト,マネージャ,顧客,プロマネ)を満足させる方法を見つけやすくなる.
  • 世界を変えよう
    • 高コストの国でソフトウェア開発者をやっていたければ,使命を持って仕事をする.変化をもたらす必要がある.自分自身や目先の(与えられた)仕事じゃない.チームや組織,会社の人たちの目に見えるような変化.
  • 業界で名前を売ろう
    • 業界で名前を売るのに,出版や講演より効果的な手段はない.
    • 著名人のブログを読み,自分も始めよう.
  • 自分のブランドを築こう
    • Webデータは,キャッシュされインデックスされ検索できるー永久に.Googleは忘れてくれない.

研磨を怠らない

  • 既に時代遅れである
    • ★週に一度最前線技術を調査する時間をスケジュールに組み込んで,そして怠けない.
  • 自分のロードマップを作る
    • 新しい知識やスキルは個々の機能に相当する.機能が1つしかない製品の使い道なんてたかが知れてる
    • 多様なスキルを学ぶのは間違いなくいいことだ.そのスキルの集合がどんなストーリーを物語るか考えよう.
    • ★過去のキャリアの道筋を思い返し,スキルや仕事を書き出す.時間も注目.
  • 新手のスキルで新手のプロジェクトマネージャになれ
    • 組織をまとめるスキルや業務を遂行するスキルが高いだけでなく,技術に対する高いスキルも要求される.
    • ★明解でもれのない機能仕様書や技術仕様書を書く能力は,オフショア開発の世界では非常に重要だ.ユースケースUMLを勉強せよ.英語に翻訳.