次世代ウェブ

次世代ウェブ  グーグルの次のモデル (光文社新書)

次世代ウェブ グーグルの次のモデル (光文社新書)

”グーグルの次のモデル”というサブタイトルに惹かれて、読んでみた。楽天コモディティ化しつつあるプラットフォームの危機を例に「収穫逓増の法則」の行き詰まり、ミクシィが狙っている次の収益モデル、「無料経済」下の収益モデルを考えるヒント、などについて論じている。”グーグルの次のモデル”は、「リスペクト(信頼)」、つまり<リスペクト>−<アテンション>−<プロフィット>の導線をどう描けるかであると結論付けている。

本書のなかで、著者が、これは難しい、巨大な金鉱/鉱脈が眠っている、まだみえてない…と述べているところに注目して、さらにもっと掘り下げて考えていくといいアイデアが浮かんできそうな気がした。次世代ウェブビジネスの明快な回答の提示までは至っていないが、グーグルやアマゾンといった圧倒的規模のプラットフォームに対抗するといった方向ではない”次のビジネスモデル”を考える参考にはなると思う。

メモ

ポータルサイトの三原則

  • データベース:開設時からの圧倒的情報量
  • UGC:ユーザによって情報が自己増殖していく仕組み
  • アテンションエコノミー:ありとあらゆるポイントで顧客にコンタクトして注目を集める

Web2.0 ウェブビジネスの進化フェーズ

  1. ロングテールにより、企業、個人、コンテンツの新たなマッチングが爆発的に起こる
  2. マッチングされた個人、企業、組織、コンテンツは、ソーシャライズされていく
  3. 蓄積されたデータベースが、ひとつに統合されて巨大化していく
  • 収穫逓増法則:激安で普及させ、市場を制覇した段階で従量制へシフトする
  • パーソナライズ検索:最近の振る舞い(可変要素)、個人の履歴(不変要素)を組み合わせれば、その人の本当の好みと検索時点での意向を汲み取るためのコンテキストがわかる
  • アマゾンのシミラリティ(類似)機能は、強調フィルタリングという手法。過去の行動が似ているユーザ同士から、複数のユーザの過去の行動から、の2種類がある。
  • ソーシャルを軸にした情報収集サービスは、コミュニティの巨大化による希薄化が課題(はてブ
  • 人間関係ダイアグラムに基づいた検索行動は、マーケティングの考え方さえ根本から変えてしまう可能性がある
  • 履歴からの過去分析ではなく、心理分析、行動分析、潜在意識、からの未来分析
  • バイラルマーケティング、ブログマーケティング:カネではなくリスペクト(信頼)はアテンションへとつながり、広く薄く収益をあげる「無料経済」時代のプロフィットにつながる
  • 企業のブログマーケティングの難しさ:ブログスフィアという大きな海でのキャスティング技術。ブログはコントロールできるものではない。
    • うまくターゲットされた消費者層に情報を投げ込む
    • マーケティングプロセスの可視化を担保
    • ブロガーの自主性も担保

情報

雑記

  • ブログ上に蓄積されていく、その人の嗜好、購買、生活レベル、個人情報をうまくトフィルタしレースしたら、最適なDMデータベースができるかも。
  • 潜在意識の生成過程を深く調べてみたい。
  • 個人の消費動機をアンケートとかでなく死ぬほど簡単に集められないかな。またはそれがこづかいになるとか。