Think! 戦略的思考トレーニング (1)
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/01/01
- メディア: 大型本
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東洋経済新報社のビジネス季刊誌「Think!」。個人的に気になったところをメモ。
目次はこちら。
日本企業と経営者に必要な戦略思考/マイケル・E・ポーター
まずは戦略論や基本のフレームワークを学べと。自身の書著や「一橋ビジネスレビュー」を推薦されていて、本誌には特に中身なし。自分のような経営初心者は、原書を読むよりは、入門本で十分かも。ついでに読みたかった本「ソフトウエア企業の競争戦略」も併記。
45歳でCEOになるための戦略トレーニング/三品和広
ビジネスパーソンの成長の4段階を示し、30代前半までに自分の価値を「理解」まで引き上げろと。
- 情報 → 知識 → 理解 → スキル
簡単な例をあげて説明。
- 情報:「1ドル=118円」
- 知識:「なぜ為替は変動するのか」という設問に対する答え、仮説
- 理解:為替と他の経済指標が連動する具合を理解、他分野への応用
スキルにするためには、30代半ばからの10年間はリスクだらけの未開の地、または辺境の地で勝負する道を選択すべきと。アメリカではこういう試練を「ストレッチ」または「シンク・オア・スイム」というらしい。
Web2.0 時代の事業戦略/石倉洋子
携帯電話の競合分野を例に、近年の業務分析や従来の事業戦略のフレームワークが使えないのではと述べている。携帯電話は、アパレル、クレジットカード、テレビ、ビデオゲーム、プリンターと競合していると。
このような環境の中、事業戦略は、ある時点で完成されたものという考えではなく、「常に実行しながら考える、進化するもの」としてとらえる必要があるとしている。
成功例として、ブラウザ戦争でのマイクロソフト、検索エンジンでのグーグルを。失敗例として、iPodに対する、ソニーのウォークマンの事例を挙げている。
ダイナミックな戦略の進化、次から次へと自社の戦略をも陳腐化するような斬新な戦略、それも創造的破壊にもとづいたイノベーションのみが事業戦略の唯一の成功ルール
重要なポイントがまとまっている図表を抜粋。
従来 | これから | |
事業環境 | 製造業 ハード 大組織 有形資産 |
サービス業 ソフト 新組織 無形資産(知識・人材) |
戦略立案への 意味合い |
外的コンテクスト ・明確な市場 ・競合 ・技術 ・政府の政策 |
外的コンテクスト ・あいまいな業界 ・新しい地域、競合の台頭 ・周囲の各種の組織の存在と役割の変化 |
明らかな境界、分断 | 融合 | |
内的コンテクスト ・資産 ・組織 |
内的コンテクスト ・人的資産、知識の重大性増大 ・流動的な資産、組織 |
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戦略 | 「正しいベストな戦略」 ・長期的目標 ・事業の範囲 ・競争優位性 ・ロジック |
・ダイナミックな戦略の進化 ・オープンシステムによるイノベーション ・新しい企業の役割 - ロジック - グローバルとローカルな知識 |