Think! 戦略的思考トレーニング (1)

Think! no.20

Think! no.20

東洋経済新報社のビジネス季刊誌「Think!」。個人的に気になったところをメモ。
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日本企業と経営者に必要な戦略思考/マイケル・E・ポーター

まずは戦略論や基本のフレームワークを学べと。自身の書著や「一橋ビジネスレビュー」を推薦されていて、本誌には特に中身なし。自分のような経営初心者は、原書を読むよりは、入門本で十分かも。ついでに読みたかった本「ソフトウエア企業の競争戦略」も併記。
ポーター教授『競争の戦略』入門 (ビジネスバイブル) ソフトウエア企業の競争戦略 








45歳でCEOになるための戦略トレーニング/三品和広

ビジネスパーソンの成長の4段階を示し、30代前半までに自分の価値を「理解」まで引き上げろと。

  • 情報 → 知識 → 理解 → スキル

簡単な例をあげて説明。

  • 情報:「1ドル=118円」
  • 知識:「なぜ為替は変動するのか」という設問に対する答え、仮説
  • 理解:為替と他の経済指標が連動する具合を理解、他分野への応用

スキルにするためには、30代半ばからの10年間はリスクだらけの未開の地、または辺境の地で勝負する道を選択すべきと。アメリカではこういう試練を「ストレッチ」または「シンク・オア・スイム」というらしい。

経営戦略を問いなおす (ちくま新書)







Web2.0 時代の事業戦略/石倉洋子

携帯電話の競合分野を例に、近年の業務分析や従来の事業戦略のフレームワークが使えないのではと述べている。携帯電話は、アパレル、クレジットカード、テレビ、ビデオゲーム、プリンターと競合していると。

このような環境の中、事業戦略は、ある時点で完成されたものという考えではなく、「常に実行しながら考える、進化するもの」としてとらえる必要があるとしている。
成功例として、ブラウザ戦争でのマイクロソフト検索エンジンでのグーグルを。失敗例として、iPodに対する、ソニーウォークマンの事例を挙げている。

ダイナミックな戦略の進化、次から次へと自社の戦略をも陳腐化するような斬新な戦略、それも創造的破壊にもとづいたイノベーションのみが事業戦略の唯一の成功ルール


重要なポイントがまとまっている図表を抜粋。


従来 これから
事業環境 製造業
ハード
大組織
有形資産
サービス業
ソフト
新組織
無形資産(知識・人材)
戦略立案への
意味合い
外的コンテクスト
・明確な市場
・競合
・技術
・政府の政策
外的コンテクスト
・あいまいな業界
・新しい地域、競合の台頭
・周囲の各種の組織の存在と役割の変化
明らかな境界、分断 融合
内的コンテクスト
・資産
・組織
内的コンテクスト
・人的資産、知識の重大性増大
・流動的な資産、組織
戦略 「正しいベストな戦略」
・長期的目標
・事業の範囲
・競争優位性
・ロジック
・ダイナミックな戦略の進化
・オープンシステムによるイノベーション
・新しい企業の役割
- ロジック
- グローバルとローカルな知識