Thnik! 戦略的思考トレーニング (2)

Think! no.20

Think! no.20

戦略を考えるフレームワーク

  • 改革プロセス
    • PDS : Plan→Do→See
    • PDCA : Plan→Do→Check→Action

戦略思考の核心はAssumptionにある

戦略のジレンマ

戦略を実現させるためには、2つの要件を満たすことが必要。

  • 要件1:資源配分:競合が追随できないポジションを取りたい
  • 要件2:行動様式:組織全体に浸透させ業務に反映させたい

しかし、これはうまくいかないことがおおい。

  • 苦悩1:戦略の凡庸化
  • 苦悩2:戦略の有名無実化

「戦略計画という名前はついているけど、実態は各事業部の計画の寄せ集めに過ぎない。事業部の計画だって前年比○○%アップという形で単純に数字を引き伸ばしたものがほとんど」とか、ホント笑えない。それに若干の濃淡をつけるのが事業戦略室などのお仕事?というのが多いらしい。

たとえイイ戦略ができても実行する段階で、たとえば営業部門からの猛烈な反発をうけてあえなく撃沈なんてどこかで聞いたことあるような話。その戦略が尖がっていればいるほど大体こうなる。撃沈だけならまだしも、営業部門から逆提案され、とんでもない方向に戦略転換してさらに被害拡大とか、実際よくある。

うまくいかない理由は、

  • 組織の論理や官僚組織的な枠組みで運営される企業
  • 戦略策定者が、市場環境、業界情報だけでなく、社内組織にも満遍なく目配せするような総合力に優れたタレントである。組織内の誰も犠牲にならずに「総花的に」手を打っていくということは、つまり「現状維持」に陥る。

ファウンダーがトップとして卓越したリーダーシップを発揮している企業では、このジレンマは起きにくい。

Assumption が鍵

Assumption とは、「前提(条件)」のこと。推論の根拠を示すもの。これには2つの要素がある。

  • 主体的な意思:「夢」や「危機感」に裏打ちされた将来の姿
  • 客観的な展望:マクロとミクロ、定性と定量で示された世界観

主体的な意思とは、トップや経営陣が「どのようにしたいのか」という意思を積極的に表明していくこと。客観的な展望とは、反対勢力に対して、意思ではなくデータと分析で論理的に説得していくこと。言われてみれば至極当たり前なことではあるが、変化のスピードがとんでもないこのご時世、「将来の姿」を示すのが非常に難しくなってきているのは実感する。

アマゾンの成功例

1995年の創設以来、6年間赤字の状況の中で、CEOのジェフリー・ペゾスは、「アマゾンの意思決定・投資は全て長期的展望にのっとって行っているのであり、短期の利益追求やウォールストリートの反応には揺るがない」「世界で最高の利便を顧客に提供する」と宣言続けた。

一方で、ウェブ、IT技術フェデックスの先進的な物流といった技術的な要件を押さえ、「客観的な展望」もしっかりと描いていた。

「戦略思考」を鍛えるための7冊

戦略のパラドックスを解く
戦略思考を鍛える (DHBRアンソロジー)
アマゾンのロングテールは、二度笑う  「50年勝ち組企業」をつくる8つの戦略 (講談社BIZ)
観想力 空気はなぜ透明か
なぜ、あの会社は儲かるのか?
戦略マップ バランスト・スコアカードの新・戦略実行フレームワーク (Harvard business school press)
創造経営の戦略 (ちくま新書)