王様の速読術

王様の速読術

王様の速読術

多読を実践していて、最近疑問に思うことがあります。

  • たくさん読んではいるけど、これでいいのか?
  • 効率よくアウトプットするには?
  • インプットの質をよくするには?

そんな疑問にバシっと応えてくれたのが本書でした。

「王様の速読術」(=斉藤メソッド)は著者が30年間の速読の研究と実践で、進化させてきたものだそうです。大手企業研修でも受け入れられているそうです。


具体的な速読法は以下を基本とし、発展系として、専門書、試験勉強、資格取得、英文などを読むためにいくつかのバリエーションが紹介されています。

王様の速読術では、30分の速読時間を三段階にわけて考える。

  1. プレビューを5分間行う
  2. 5分間で全ページを写真読みしていく
  3. 残り20分を使ってスキミング法で読んでいく

これで合計たった30分で、一冊を読むのである。

プレビューでは、表紙やカバー目次を読み、それからパラパラと本文の図表、写真、イラストを見ていき、本の構造を理解していくのです。重要なのは、「この本を読む目的」をはっきりさせること、つまりどこをどうよんでいくか戦略をたてることだそうです。

写真読み(フォトリーディング)は、見開きを2秒でパッパッと眺めていきます。ここでは、本から浮かび上がってくるキーワード、と自分自身でもっているキーワードに注意をしながら、どこが大事そうか見当をつけます。

スキミングは、大海原の上を舞う鳥のように、本を高いところから見ていき、魚の気配を見つけたら、つまり「ここが大事だ」を思ったら、海面に急降下していき速度を落として読む、というイメージだそうです。


テクニックについて紹介しておいて、アレなのですが、本書は、速読のテクニックよりもむしろ、このテクニックをうまく使いこなすにはどういうところに気をつけるべきかという、どちらかというと「心構え」に近いところを重視しています。

全体を通して筆者がなんども強調しているのは、「目的意識をもつこと」です。本の選び方、速読の方法の選び方、アウトプットの仕方、全てはこの目的のためということです。わかっているつもりでも、なかなかできないからこそ、敢えて何度も言われているのでしょう。冒頭でも書きましたが、今の僕にとっては最適な本でした。同じような悩みを持っておられる方にはオススメだと思います。

メモ
  • 結局は自分がどうなっていきたいのか、そのためにはどういう知識が必要なのか、自分の人生目標と価値観の明確化が選別眼の決め手
  • 「あれもこれも」欲しいと思った場合は、自分なりの「目的」が明確になっていない状態
  • インプット → プロセッシング → アウトプット → コミュニケート
  • プロセッシング:異種情報の結合、独創的アイデア、ひらめき、自分の考え

大切なことは、二割を読んで八割を得ること。つまり八割を捨てるということなのだ。

確かにすべてのページに情報が埋まっている。しかし、いまのあなたに読み取れる情報は、上空から眺めて、理解できるところである。理解できないところを読んでも、あなたの情報にはならない。<中略>
結局、本を読んで、理解できるところ、情報を受け取れるところは、あなたの意識、これまでに培った知識レベルに左右される。深く潜れる人もいれば、それほど潜れない人もいる。