「金のアイデア」を生む方法
「金のアイデア」を生む方法―“ひらめき”体質に変わる本 (成美文庫)
- 作者: 樋口健夫
- 出版社/メーカー: 成美堂出版
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 文庫
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アイデアマラソンの発案者である樋口さんの著書です.アイデアマラソンとは,毎日アイデアを1つ以上ノートに書いていくこと,っていうこと位は僕も知っていて,コツコツやっています.が,この本は単にアイデアマラソンのやり方を説明するのではなく,それをやることで仕事や人生にもよい影響がありますよと教えてくれます.
ソフトバンクの孫さんは学生時代,毎日50個だったかな,アイデアを出し続けたとか.何かで読んだ記憶があります.
先日,ファシリテーションの研修で「○○を成功させるアイデア」をグループで出しまとめて発表するということをやったときの話です.各グループ,大体30〜40個位のアイデアが出ていて,僕らはまずまずだと思っていたのですが,講師の方いわく普通は大体そんなものだそうです.つまり発想が貧困だというのです.同じような研修で,トヨタの社員の方は一般企業の2〜3倍以上のアイデアを出すそうです.「カイゼン」という文化というか習慣が自然とそうさせるのだろうと言っていました.
こういうことってなかなか自分だけでは気がつかないものですよね.
何が言いたいのかといいますと,頭はではアイデアを出せばいいのはわかっているけど,思考の枠に捉われて実際にそのアイデアの範囲というか発想を広げていくのは結構難しいわけです.で,本書では,サブタイトルにあるように,「"ひらめき"体質に変わろう」と薦めています.そんなヒントも満載です.
「センスに磨きをかける20の発想法」として,以下の4つアプローチを元に20個発想法を紹介しています.
- 視覚系の発想法
- 課題系の発想法
- 自己思索系の発想法
- 特殊な発想法
なるほどと思ったのは,特殊な発想法の1つ「気分転換発想法」.シャワー,風呂,サウナなどの気分転換を利用するものです.結構風呂でいいアイデアが浮かぶことは実際多いですよね.GMOの熊谷さんは風呂場にも手帳を持っていくとおっしゃっていたような気がします.本書では,シャワーを浴びる前になにか課題を考えて利用することを提案しています.さすがに課題までは考えなかったなぁ.あとは,車の中にICレコーダーを置いておくとか.これもいいアイデアですよね.
巻末の練習問題も樋口さんのアイデアに溢れてます.(4つだけ抜粋)
- 「過去の大笑い」を三つ考えなさい
- 「過去に得したこと」を三つ考えなさい
- 「過去にびっくりしたこと」を三つ考えなさい.
- 「過去の不思議体験」を三つ考えなさい.
文庫本でさくっと読めちゃうのですが,中見は濃いです.また樋口さんのお人柄も垣間見えたりして読んでいて非常に楽しいです.
で,今日読みながら帰りの電車で思いついたアイデアはと…
- PASMOでタッチしたら,携帯に広告配信しちゃう
- 改札が込まないように,階段やエスカレーターにもタッチできるようにしちゃう
- 車両の片側全部がガルウィングみたいに開く電車
- 昼間/夜間必ず空くことになっている自宅や会社の駐車場を貸すサービス
- 自動健康診断できる便器(血圧,体温,体重,検便,検尿)
- 手書きのマインドマップを電子化(図にするだけでなく構造化テキストにも)するエアーマインドマップペン
- 「不便リスト」「めんどくさいリスト」からもいいアイデアが出そう(「失敗リスト」の発展系)
まだまだ修行が足りないようです.ハイ.
メモ
「我考え,我書き留め,我周囲に話すゆえに,我々がある」.これがアイデアマラソンの基本姿勢だ.
- 「三日,三週間,三ヶ月」の節目を越えれば大丈夫
- 優れた発想の含有率0.3%.1000個に3個の金のアイデア.
- よい発想とはなにか
- いままでになかった極めてユニークな考え方や商品
- トラブルのユニークな解決策やトラブルが実は新しい解決方法のきっかけであったというような発想
- 他人とのコミュニケーションをクリエイトする.笑いをつくるような発想
- 他人が独創的,画期的な発想を出すきっかけになる発想
- 「くず時間」の利用
- どこでも研究室!「マイ研究室」
- 発想好奇心のアイドリング状態(この状態でないとダイヤが石ころにしかみえない)
- 「失敗リスト」