ビジネス力の磨き方 / 大前研一
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/04/19
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (51件) を見る
IT化,グローバル化,格差化といった,不透明な今の時代を生き抜くビジネスマンのための指南書です.
テーマは,いままで大前氏の多くの書籍で書かれている,論理思考,仮説思考,戦略思考といったものではなく,先見性,突破力,影響力,仕事力,人間力といった誰にでも必要なものになっています.
「第3章 影響力を磨け」から,一部引用します.
いくら大企業に勤め,部長や課長という肩書きをもっていたとしても,自分のいうことをきちんと聞いてくれる人間が部下しかいなければ,その人の影響力はせいぜい部や課の中だけということになる.<中略>
この範囲が広ければ広いほど,その人の価値は高いといえる.
この影響力というのは言葉を換えれば,カネを稼げる範囲のことでもある.会社の中でしか影響力を発揮できない人は,その会社でしかカネが稼げない,それだけの価値しかないということだ.逆に,その発言や業績が海の向こうでも注目されているようなら,その人は,世界中どこに行っても食べていける.ちなみに,そういう人のことを「一流」という.
これを読んで,「そんな世界なんて,大きなこといってもさぁ」と思った人は,おそらく大前氏のいう20世紀型の人間なのだと思います.21世紀型の人間ならば,「そうそう,今はそのチャンスが目の前にいくらでも転がっているんだ」って感じるのだと思います.
Webサービスやソフトウェアの世界では,こういった考えはもはや当たり前ですし,身近なところでは,ブログだって英語で書ければ,まさに世界に影響をあたえることもできます.
本書,大前氏の他の著書同様,全編にわたって話のスケールは超ビッグです.自分もこういった領域に到達できるよう努力しなければと改めて思う1冊です.