アート・オブ・プロジェクトマネジメント (全16章のまとめ & 参考文献54冊)
アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)
- 作者: Scott Berkun,村上雅章
- 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書はいまさら説明するまでもないですが,プロジェクトマネジメントの名著の1冊です.
発売以来,さまざまなサイトでレビューされ,とくに自分が書評を書く必要はないとは思っていたのですが,読むたびに思うところがあり,いったん自分の理解を整理するという意味でレビューを書いておきたくなったというわけです.ですので,レビューというより個人的なメモレベルの内容になっています.
何がそんなにスゴイのかというと,「シンプル」かつ「実践的」であるというところです.そして,その中心には,必ず「ひと」がテーマとしてあるということです.テクニカルなことを書いているわけでもなく,きちっと体系立てた理論を書いているわけでもなく,ただ「ものごとを成し遂げるためには何を行うべきか (行わざるべきか)」を極限までシンプルに書いている,それだけです.だからスゴイのです.
シンプルだからスゴイと言われても,何だかさっぱりわからないと思われるかもしれませんが,まだ読んでいないという方,とにかく本書,読んでみてください.必ずや”あなたにとって”の新しい発見があると思います.
目次
1章 プロジェクトマネジメントの簡単な歴史
2章 スケジュールの真実
3章 やるべきことを洗い出す
4章 優れたビジョンを記述する
5章 アイデアの源
6章 アイデアを得た後にすること
7章 優れた仕様書の記述
8章 優れた意思決定の行い方
9章 コミュニケーションと人間関係
10章 メンバーの邪魔をしない方法
11章 問題発生時に行うこと
12章 リーダーシップが信頼に基づく理由
13章 ものごとを成し遂げる方法
14章 中盤の戦略
15章 終盤の戦略
16章 社内の力関係と政治
参考文献 54冊
- 禅へのいざない
- 人はだれでもエンジニア―失敗はいかにして成功のもとになるか
- キッチン・コンフィデンシャル (新潮文庫)
- コード・ブルー―外科研修医救急コール
- 人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional computing series (別巻3))
- 10日で学ぶMBA (SBP business)
- アジャイルと規律 ?ソフトウエア開発を成功させる2つの鍵のバランス?
- ピープルウエア 第2版 ? ヤル気こそプロジェクト成功の鍵
- ソフトウェアプロセス成熟度の改善
- XPエクストリーム・プログラミング入門―変化を受け入れる
- XPエクストリーム・プログラミング実行計画 (The XP Series)
- プログラミングの心理学―または、ハイテクノロジーの人間学 25周年記念版
- 禅とオートバイ修理技術―価値の探求 (シリーズ精神とランドスケープ)
- 要求仕様の探検学―設計に先立つ品質の作り込み
- ユースケース実践ガイド―効果的なユースケースの書き方 (OOP Foundations)
- 創造者たち(上) 神話世界と人間の世界 (創造者たち)
- 大発見―未知に挑んだ人間の歴史
- なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか―記憶と脳の7つの謎 (日経ビジネス人文庫)
- アイデアのおもちゃ箱―独創力を伸ばす発想トレーニング
- シンプリー・パーム―理想のPDAを目指して
- 会議が変わる6つの帽子
- ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版
- コンピュータは、むずかしすぎて使えない!
- Serious Games
- 決断の法則―人はどのようにして意思決定するのか? (トッパンのビジネス経営書シリーズ)
- 統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス)
- エクセレント・リーダー―超優良企業への情熱〈上〉 (講談社文庫)
- Satir Model: Family Therapy and Beyond
- 7つの習慣-成功には原則があった!
- リーダーシップ・エンジン―持続する企業成長の秘密
- The Facilitator's Fieldbook: Step-By-Step Procedures, Checklists and Guidelines, Samples and Templates
- Mining Group Gold: How to Cash in on the Collaborative Brain Power of a Group
- ラピッドデベロップメント―効率的な開発を目指して (MicrosoftPRESS)
- ハーバード流交渉術
- 無理せずに勝てる交渉術
- ワインバーグのシステム思考法 ソフトウェア文化を創る〈1〉
- “自分らしさ”を愛せますか
- 病んだ家族からの旅立ち―アダルトチルドレンの克服と回復を目指して
- ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち
- ソフトウェアプロセス成熟度の改善
- Chop Wood, Carry Water: A Guide to Finding Spiritual Fulfillment in Everyday Life
- シーシュポスの神話 (新潮文庫)
- Total Project Control: A Manager's Guide to Integrated Project Planning, Measuring, and Tracking (Operations Management Series)
- Failure is not an Option: Mission Control From Mercury to Apollo 13 and (Thorndike Paperback Bestsellers)
- アポロ13 (新潮文庫)
- Web Project Management: Delivering Successful Commercial Web Sites
- 基本から学ぶテストプロセス管理―コンピュータシステムのテストを成功させるために
- 品質と生産性を重視したソフトウェア開発プロジェクト技法―見積り・設計・テストの効果的な構造化
- ソフトウェア開発のダイナミズム (MicrosoftPRESS)
- パラドックス系マネジャーがビジネスを変える! (ハヤカワ文庫NF)
- 権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉 (角川文庫)
- 人を動かす 新装版
- 影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか
- 企業変革力
こちら,著者 Scott Berkun の最新作『The Myths of Innovation』.原書は,2007年5月に発売になります.
- 作者: Scott Berkun
- 出版社/メーカー: Oreilly & Associates Inc
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: ハードカバー
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スゴイとこメモ
シンプル
- シンプル,かつ本質をついた内容
- だから,読み手のレベルによって,どうにでも活用できる.
- だから,集中して読まないと本当に言わんとしていることを簡単に見逃してしまう
- だから,何度読んでも(自分が成長しているのも関わらず)新たな発見がある
- ということは無駄な部分がなく,どこも内容が深いということ
- ゆえに考えさせられる
じつは深い
- 多くの優れた文献から得た原理原則に基づき,それを自分の経験に照らし合わせ,実践的原則を見出している.
- その文献が実にさまざまな分野にまたがっている
- さまざまな角度から検証した内容を,とてもシンプルに書いている.
- シンプルに書くということは本当に難しいことなのに...だからスゴイ!
- 一文一文が深い.つまりものすごく考えている証拠
すぐ使える
- とくに魔法の質問がすばらしい
- 各開発フェーズで関連する章だけ読んで,すぐ明日から使える
- プロジェクトマネジメントと銘打っているが,これにとらわれないほうがよい.
- 「ものごとを成し遂げる人」なら誰でも,読んでおくべき
- 村上 雅章さんの翻訳もすばらしい