アート・オブ・プロジェクトマネジメント (全16章のまとめ & 参考文献54冊)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

本書はいまさら説明するまでもないですが,プロジェクトマネジメントの名著の1冊です.

発売以来,さまざまなサイトでレビューされ,とくに自分が書評を書く必要はないとは思っていたのですが,読むたびに思うところがあり,いったん自分の理解を整理するという意味でレビューを書いておきたくなったというわけです.ですので,レビューというより個人的なメモレベルの内容になっています.

何がそんなにスゴイのかというと,「シンプル」かつ「実践的」であるというところです.そして,その中心には,必ず「ひと」がテーマとしてあるということです.テクニカルなことを書いているわけでもなく,きちっと体系立てた理論を書いているわけでもなく,ただ「ものごとを成し遂げるためには何を行うべきか (行わざるべきか)」を極限までシンプルに書いている,それだけです.だからスゴイのです.

シンプルだからスゴイと言われても,何だかさっぱりわからないと思われるかもしれませんが,まだ読んでいないという方,とにかく本書,読んでみてください.必ずや”あなたにとって”の新しい発見があると思います.

参考文献 54冊


こちら,著者 Scott Berkun の最新作『The Myths of Innovation』.原書は,2007年5月に発売になります.

The Myths of Innovation

The Myths of Innovation


スゴイとこメモ

シンプル

  • シンプル,かつ本質をついた内容
    • だから,読み手のレベルによって,どうにでも活用できる.
    • だから,集中して読まないと本当に言わんとしていることを簡単に見逃してしまう
    • だから,何度読んでも(自分が成長しているのも関わらず)新たな発見がある
      • ということは無駄な部分がなく,どこも内容が深いということ
      • ゆえに考えさせられる

じつは深い

  • 多くの優れた文献から得た原理原則に基づき,それを自分の経験に照らし合わせ,実践的原則を見出している.
    • その文献が実にさまざまな分野にまたがっている
  • さまざまな角度から検証した内容を,とてもシンプルに書いている.
    • シンプルに書くということは本当に難しいことなのに...だからスゴイ!
  • 一文一文が深い.つまりものすごく考えている証拠

すぐ使える

  • とくに魔法の質問がすばらしい
  • 各開発フェーズで関連する章だけ読んで,すぐ明日から使える
  • プロジェクトマネジメントと銘打っているが,これにとらわれないほうがよい.
    • 「ものごとを成し遂げる人」なら誰でも,読んでおくべき
  • 村上 雅章さんの翻訳もすばらしい