新ネットワーク思考 / アルバート・ラズロ・バラバシ

Book

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

本書が出版されたのは2002年，ちょっと古くてどうかなと思ったが，なかなか面白かった．

ウェブはもちろんのこと，人のネットワーク，細胞のネットワーク，ヒトゲノムやガン(遺伝子ネットワーク)，性関係ネットワークやエイズ(感染のメカニズム)，アルカイダ(テロリスト・ネットワーク)など，今日の多くの複雑系ネットワークの多くは「スケールフリー・ネットワーク」で構成されているというのがポイント．

via wikipedia.org

「スケールフリー・ネットワーク」は，ほんとうに多くのモノゴトに応用が利く．加速度的にグローバル化している経済の話題から身の回りの組織や口コミまで，あらゆる場面で使える．

学者が書いた本ではあるが，非常にわかりやすく読みやすい．ウェブに関係する人はもちろん，そうでない人もおもしろく読めると思う．

メモ

ランダム・ネットワークとスケールフリー・ネットワーク

  • ランダム・ネットワーク ： 正規分布．高速道路網に似ている．
  • スケールフリー・ネットワーク ： ベキ法則に従う分布．航空便のツーとマップに似ている．

スケールフリー・ネットワーク

  • スケールフリーとは，ノードがもつリンク数に「スケール(尺度)」がなく，平均的ノードというものも存在しない．
  • スケールフリー・モデルに「ハブ」と「ベキ法則」が現れる理由が，「成長」と「優先的選択」である．
  • 「適応度」により，後発でもハブになりうる(例としてGoogle)
  • スケールフリー・ネットワークは「故障」には弱くないが，「攻撃」に弱い．
  • スケールフリー・ネットワーク上を広がるウイルスには，閾値がない．

ハブ

  • きわめて莫大なリンクをもつノード．

ベキ法則

  • 少数のノードが莫大なリンクを持ちハブとなる一方，大多数のノードは少数のリンクしか持たないような分布．
  • 金持ちはより金持ちに．
  • ロングテール．80対20の法則(パレートの法則)

適応度とボーズ＝アインシュタイン凝縮

向き付けされたウェブの四大陸

  1. 中央大陸
  2. IN大陸
  3. OUT大陸
  4. 半島，島

その他

参考サイト

参考文献