21世紀の国富論 / 原丈人

21世紀の国富論

21世紀の国富論

月刊アスキー7月号の付属DVDで,筆者 原氏の話を聞いて彼の構想に興味をもち本書を読んでみた.

アメリカ型資本主義の次にくる,新しい市場のあり方,新しいファイナンスのあり方,新しい会社のあり方の提言が本書のメインテーマである.なかでも個人的に興味深いのは,コンピュータを中心としたIT産業の次の,ポスト・コンピュータ産業になりうるものが何であるかということについて書かれていること.

PUCIFXという2つのキーワードはチェックしておいたほうがよいと思う.

メモ

ポスト・コンピュータ産業

PUC(pervasive ubiquitous communication) : 使っていることを感じさせず(パーベイシブ),どこにでも偏在し(ユビキタス)利用できるコミュニケーション機能.

  • 機械が人間に合わせる
  • 計算機能ではなくコミュニケーション機能
  • PCは,ハングアップしてもリセットが許される.スイッチを入れてもなかなか起動しない.それが許されているアーキテクチャである,非常におかしな工業製品.
  • クライアント・サーバ型からピア・トゥ・ピア(P2P)型

すでに一部が実現しているように,テレビや携帯電話のなかにパソコン用に開発されたソフトを詰め込んだのでは,意味がありません.それは結局のところ,パソコンに似て使いにくい「不良品」のような新しいテレビや電話機が生まれるだけの話です.

PC PUC
ハードとソフトは分離 ハードとソフトは統合
数値演算用マイクロプロセッサ プログラマブルDSP
クライアントサーバ型ネットワーク P2P型ネットワーク
非リアルタイム処理OS リアルタイム処理OS
リレーショナル・データベース 次世代データベース

インデックス・ファブリック(IFX)理論

  • ストラクチャード・データ
    • セミストラクチャード・データ : 属性がつぎつぎに変化/増加するもの
    • アンストラクチャード・データ : 属性が定義できないデータ,DNA配列,アミノ酸構造