コンサルティング入門 / 内田和成
BBTシリーズ8 コンサルティング入門 (BBTビジネス・セレクト)
- 作者: 内田和成
- 出版社/メーカー: ゴマブックス
- 発売日: 2007/07/04
- メディア: 単行本
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著者は「仮説思考」などの著書がある,ボストン コンサルティング グループ シニア・アドバイザーの内田氏.ビジネス・ブレイクスルー 経営コンサルティング講座入門編・応用編の映像から再編集したもの.
コンサルタントを目指したい人,プロジェクトでコンサルタント役をやらざるを得ない人にとっては,まさにキホンのキとなる入門書.とにかくわかりやすい.
MECE,3C,4P,SWOTといったいわゆるフレームワークについては書いてない.コンサルティングのプロセスと必要な基本スキル(分析,インタビュー,プレゼンなど),顧客とのやり取り,コンサルタントの育て方について書かれている.
コンサルティングのプロセス(課題発見→解決策策定→説得→実行)は,まあ誰でも想像はつくが,それぞのフェーズで必要となるスキルについて基本的でかなり具体的なアドバイスが得られるのがよい.顧客へのインタビューで使われるインタービューメモやコツ,そしてインタビューから仮説・論点を立てる(構造化する)方法,ディスカッションのコツ,プレゼンで使うパッケージ作成のスキルなど.
そして,この本がいい!と思ったのは,BCGの内田氏を含めた数人のコンサルタントの現場経験にもとづく,顧客との接し方や心構えといった生のノウハウが学べることだ.これはほんとうに貴重だと思う.
顧客と目線は対等に合わせ,感情や心の痛みを理解しながらも,視座は高く持って有用な提案を行うこと.視野は広く持って多面的な視点からアドバイスを行うこと.
仮説のスキルについては,著書「仮説思考」に書かれている事例と全く同じであるので,広く浅くコンサルタント業務を知るにはこちらのほうがオススメ.
メモ
6つのスキル
- 分析
- インタビュー
- ディスカッション
- 仮説
- パッケージ作成
- プレゼンテーション
分析手法の手順 (3→2→1は最もやってはいけない順番)
- まず分析の目的をはっきりさせる
- 4つの手法のどれが適切か検討してみる
- それからデータを集める
チェンジマネジメントのコツ
- 巻き込み(当事者意識)
- クイックヒット(早期の小さな成功体験)
- 不公平を作る(妬まれる)
- 言い訳をなくす(追い込む)
- しつこさ(Never Give up)
その他
- 分析の目的は仮説の検証にある
- 帰納法よりは演繹法で”空パック”のパッケージを作ることにトライせよ
- プレゼンでのメッセージは最大3つまで
- コンサルとの共同作業で将来を担うリーダーを育成
- 改革案に対する熱意は半年で冷めるからトップの不退転の決意が必要.
- いくら美しい答でも,その企業の能力や体力,時間軸などの要素のために実行できないものはNG
- 最初に良いアウトプットを出してクライアントの信頼を勝ち取る=”貯金”を作ることがポイント
- 限られた時間の中では,網羅的に80点,100点は不可能.120%の答案をいくつ出せるかが勝負.
- 信頼構築,尊敬獲得,目的意識の共有化
- 協働により,一緒に作ってきた感.クライアントに戦略を”自分のもの”として考えてもらえる
- 最大の抵抗者のエネルギーを改革推進のエネルギーに変換
- 抵抗勢力に対しては第三者として弾よけ(嫌われ役)になることも必要
- 時には顧客企業の中からスターをつくりだす
- 顧客を好きになる
- 「中身(コンテンツ)」と「心(エンパシー)」
- あなたが背丈よりも高い穴の中に落ちたときのことを考える