問題発見プロフェッショナル 「構想力と分析力」 / 斎藤嘉則
- 作者: 齋藤嘉則
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
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問題発見の教科書的1冊.
問題は解決するより発見するほうが何倍もむずかしい.さまざまな分析テクが紹介されているが,それよりも大切なのは,なぜ問題発見ができなくなるかというところと,発見/分析の視点だと思う.
メモ
問題とは
- 問題とは「あるべき姿」と「現状」の「ギャップ」である
- 「あるべき姿は何?」「何がこれから取り組むべき重要な問題か?」
問題発見できない4つの理由
- 問題を定義する前提となる「あるべき姿」を,的確に描けない
- ビジョン構想力・目標設定力が欠如し,「あるべき姿」をイメージできない
- パラダイム変化の認識力が欠如し,「あるべき姿」が間違っている
- 「現状」の認識・分析力が低く,正確な把握ができていない
- 「現状」を直視する問題意識の欠如
- 「現状」を把握する分析スキルの欠如
- 「ギャップ」の構造を解明して,問題の本質を具体化・優先順位づけすることができない
- 問題となるギャップが曖昧な状態のまま,解決しようとする
- 問題の原因がアレコレあって優先順位づけができないため,すべてを解決しようとする
- 実行可能な「解決策」から逆順で短絡的に問題をとらえるために,拡がりを見失う
2つの問題発見
- オペレーション的問題発見
- 「あるべき姿」が決まっている場合の問題発見
- 生産現場での作業標準(マニュアル)に対する効率改善はこれに相当
- Plan-Do-Seeには問題発見フェーズがない
- 戦略的問題発見
- 「あるべき姿」を構想することで問題を発見する
戦略的問題発見の4P
- Purpose (目的軸) : そもそも「何のために」
- Position (立場軸) : いったい「だれにとって」の問題なのか
- Perspective (空間軸) : 問題を俯瞰する
- Period (時間軸) : 「どの時点」での問題とするのか
問題の本質を分析する,3つの視点
- 拡がり
- MECE
- トレンド分析
- +/-差異分析
- 集中・分散分析
- 付加価値分析(コスト分析)
- CS/CE分析(バリュー分析)
- 深さ
- ロジック
- コーザリティ分析
- 相関分析
- シェア分析
- 重さ
- 感度分析
- パレート分析
- ABC分析
- ピーク分析
- リスク・期待値分析
チームで問題解決に取り組み,その結果が際立つ場合には,妙な調整作用が働かず,感情的な主張にも惑わされず,かつ思考が多面的に広がる場合である.<中略>
そこには,組織上の立場から生じるヒエラルキーや部門意識,また他人事といった無責任な態度はなく,全員が自由に発言し,相手の言うことを積極的に聞く姿勢ができている.
仮説思考とは思い込みではなく,ゼロベース思考とは無知ではない.