ウェブ時代をゆく / 梅田望夫
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/06
- メディア: 新書
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いつものように梅田氏独特の言葉やアナロジー,メタファがたくさんでてくる.一般的な自己啓発や組織論の内容ともちろんかぶる点も多いのだが,この独特の言い回しがプラスになってより深く理解できる人種はけっこう限られるのではと思う.ITにあまり関係しない人々(ビジネスマンであっても)にとっては,これらのアナロジーが逆効果になってしまうかもしれないと若干危惧する.
とはいえ,組織や社会のしくみにまだ精通していない特に若いソフトウェアエンジニアにとっては,本書はとても強力な勇気と力を与えてくれる.なかでもこの部分は,現在の僕に非常に勇気を与えてくれた一文.
迷ったとき悩んだときには,時代の大きな流れに乗った新しいことにあえて巻き込まれてみる,そしてそこで試行錯誤を繰り返してはその先の可能性を手探りしていく.変化の激しい時期ならではのそんな生き方も,あんがい自由で楽しいものだ
梅田氏の本は,「ウェブ進化論」もそうだったが,何度も読めば読むほど行間に込められた深い意味がわかってくる.本書もまたしばらくしたら読み直してみたいと思う.
メモ
ネット・アスリートへの3つの言葉
- 「Only the Paranoid Survive」 アンディ・グローブ
- 病的なまでに心配性な人だけが生き残る
- 「Entrepreneurship」
- 自分の頭で考え続け,どんなことがあっても絶対にあきらめない
- 「勝った者」とは「勝つまでやった者」
- 「Vantage point」 ロジャー・マクナミー
- 見晴らしのいい場所:その分野の最先端で何が起きているのかを一望できる場所
「けものみち」で一番大切な「一人で生きるコツ」
- あらゆる面で徹底的にネットを活用すること
- 「自分にしか生み出せない価値」(さまざまな要素からなる複合技)を定義して常に情報発信していくこと
- 自分の価値を理解して対価を払ってくれる人が存在する状態を維持しようと心がけること
- コモディティ化だけは絶対にしないと決心すること
- その予感があったら必ず新しい要素を自分の専門性やスキルに加えていくこと
- 積極的に人間関係を構築し,人との出会いを大切にすること
- 組織の論理に埋没せず,個を輝かせようと努力すること
- 数当たるのは当たり前のこと,断られるのは当たり前のことと思わなくてはいけない(精神的タフネス)
「けものみち力」
- 進取の気性に富む,積極性,自己表現欲求
- 広い問題意識,高速道路外の世界への関心
- 情報収集力
- 行動力
- 勇気
- スピード感
- 常識
- 明るさ,素直さ,人に好かれる性格
- コミュニティ・リーダーシップ,段取り力
- コミュニケーション能力
- 気遣い,やさしさ,柔軟性
- 反射神経的に判断して物事を決める力