効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法 / 勝間和代


本書を読んでいて,結構知っていることが多いなぁという感想をもった.しかし,これこそが自分の最大の問題であったことによくやく最近気づいてきた.

去年,多読を試みて痛烈に感じたことは,知っていることとやってみてわかったこととの間には,ものすごい隔たりがあるということ.そして試行錯誤を繰り返し,いろいろ失敗することによって,徐々に自分の中で情報が昇華されて,「なるほどそういうことか,わかった!」という瞬間がくる.

本書では,「1%の本質を見極める6つの技術」でこれについて書かれている.ここには,6つの技術が書かれているが,重要なのは1つ1つの技術よりも,その1%の本質とは何者なのかということを理解することかなと.勝間氏の本がすばらしいのは,原理原則や本質,そしてその技術,スキルが両方バランスよく書かれていること,しかも平易な言葉で何度も何度も.これ,実はかなり計算された書かれ方だと思う.

実際,アウトプットというのは,150を知っている人が情報をまとめるとはじめて120くらいになるもので,それについて100しか知らない人が,「そんなことはわかっていた」というのは,端から見ていると恥ずかしいことです.

ある程度,静的な情報,知識が自分の中に貯まってくると,こういう落とし穴に知らず知らずにはまっていることがある.せっかく人から,「これ知ってる?すごいよ」と教えてもらったのに,「あ〜,知ってる,本で読んだよ」と切り返してしまっては,動的な生の経験談が聞けるチャンスを潰してしまっている.気をつけねば.

巻末には,書籍やIT機器,ソフト,AudioBookなどのカタログまで掲載され,余すとこなく「Give5乗の法則」が実践されている.

自分は何をすべきか
  • インプットの質を上げる.
    • 専門書やセミナーなどコストがあえてかかるものを厳選する
    • 他者の経験を引き出す
  • アウトプットにより時間をシフトさせる
    • 経験値をあげる.失敗をする
メモ
  • 資本主義の本質は,「賢くない人から賢い人へお金が移動する仕組み」
  • 情報主義の本質は,「情報を持っていない人から,情報を持っている人へ,お金が移動する仕組み」
  • 月の書籍代が10〜15万円,50〜100冊.本の値段とその価値には相関関係がある.
  • 情報の空(事実)→雨(解釈)→傘(行動).
  • いかにある情報を再現性がある形で分解し,再構築できるかということがアウトプットの技術の最大のポイント
    • 本:10万〜16万字
    • 雑誌・新聞の記事:1000〜4000字
    • ブログ:500〜2000字
    • メールマガジン:1000〜2000字
    • セミナーを開く:7万字