真似すべき本質的な知識集(原理/原則)

日々の仕事において,誰しも少なからず,何かをマネージし何かにマネージされています.チームリーダーはチームをマネージしなくてはいけないし,プロジェクトリーダー/マネージャーはプロジェクトをマネージしなくてはいけません.個人においてもそうですね,自分自身をマネージしなくてはなりません.マネージするスコープ(人,モノ,技術,期間,空間)が大きくなればなるほど,一般的にそれは難しくなり,未知なる領域が含まれれば含まれるほど,どんどん手に負えなくなっていきます.

どうやったらそれらをうまくこなすことができるのでしょうか?

特にビギナーにとっては,先人達の知識/知恵を参考にし行動を真似することが最も失敗の少ない方法です.そのまま真似しただけでは確かに効率が悪いことも多いとは思いますが,未経験者がいきなり独自の方法を編み出してやるよりはよっぽど安全です.これはなにもソフトウェア開発に限ったことではないのですよね.

ところが,いざ真似をしようと思ってもその肝心のお手本が意外とないのです.歴代のプロジェクトマネージャーに話を聞きにいったりするのもそう頻繁だと嫌がれますよね.そこでとりあえず片っ端から関係する資料をかき集めることから始めました.体制図,スケジュール,計画,業務指示メール….集めた資料を眺めるとなんとなくやることは見えてはくるのですが,これってかなり危険ですよね.それぞれの資料やその時々の指示って,仕事のある側面のアウトプット,選ばれた結果/手段/方法,しか見えないからです.一番知りたいのは,そのときのその人の思考なんです.本質なんです.なぜそれをやる必要があるのか?やらない必要があるのか?たくさんある方法の中からなぜその方法を指示したのか?気をつけるべきポイントは何なのか.

本を読んで本質を理解すればよいと思うかもしれません.もっともです.じゃあ試しに読んでみるといいですよ.いきなりどの本を読むべきかというスタート地点で同じ問題が発生してしまうんです(因みに,http://www.amazon.co.jp で"プロジェクトマネジメント"で検索すると166件でした).どれが本質をついているのかを見極めるのは結構難しい."10日でおぼえるXXX入門"とかいった安易な本に走りがちだ.運よく良本に出合えたとしても,書いてあることをあなたの組織のプロジェクトまたはあなた自身の頭にうまく適応させることは簡単ではない.なぜならプロジェクトはひとつとして同じものはないからです.言いたいことは,自分で経験したあるいは傍からでも見たことに対する本質はスーッと頭に入ってくるが,未経験の場合理解はできても実はほとんど自分のものにはならないのです.

本ブログでは,現場の身近な事例を交えながら,マネージャー/リーダー/メンバといったさまざまな視点で説明し,真似すべき本質的な知識集(原理/原則)となることが目的の1つです.お薦めの参考文献も多く紹介していこうと思います.でも最も重要な目的は,忘れっぽい自分のためだったりして….