はてなと考えるにっぽんのWeb2.0
WD Live!(Web Designing主催セミナー)「株式会社はてなと考えるにっぽんのWeb2.0.そのサービスとサイト運営 伊藤直也氏 × 須賀正明氏」に参加してきた.
伊藤直也さん,はじめて実物をみた.男から言われてもキモイかもしれないけど,カッコいい人だった.
見た目っていうのもあるけど,やっぱその考え方とか話しっぷりとかかな.ゲストだからかもしれないけど,司会者やMBAホルダーの須賀さんより数倍大きくみえた.(こんな事書いたら失礼かもしれないけど)堂々とした話にはすごい説得力があった.これやっぱり経験と実績からくるものだと思う.頭もいい人ですね.IQとかそういうのじゃなくて,ちゃんと全体の流れとか把握してるし,質問には的確に受け答えしているし,話もちゃんと見えてる印象をうけた.
プログラミングはもちろん,CTOとして社員のマネージメント(管理)もきっちりやってますといってた.また,自分はずっとコードを書いていたいから,そういう意味ではCTOは別の人がくれば,やってもらうのもいいかもみたいな話もしていた.でもこの人,技術もマネージメントも両方できる,まさにCTOにぴったりな類まれな人だと思った.あと,コードを書けない人から命令されても人は動かないとも…,これ激しく同感.
考え方の部分だけど,彼の考え方なのか「はてな」の文化なのか,もしくはそれらがちゃんと合致しているのかもしれないけど,一貫している哲学を話の中に感じた.それは,naoyaのはてなダイアリーや『「へんな会社」のつくり方』などで書かれていることだけど.はてな社長の近藤さんの哲学がみんなで理解され共有されているんだろうなぁと感じ,これが組織にとってすごく重要なんだなぁということも同時に強く思った.
最近は,RSSリーダには100件以下程度しか登録されてないそうで,大きなトレンドのチェックははてブがメインだとか.意外だったのは,どんな新しいWebサービスがあるのかって特に日々チェックしたりしないらしい.自分のアイデアがすでに存在してるかどうかもそんなにチェックしないのだそう.むしろあまり見ないようにしているらしい.理由は,Web2.0的なサービスっていうかイメージ(星のマークやら)に汚染されたくないみたいなことを言っていた.またかぶっていても,継続して作りこんでいくとおのずと違うものになっていくからとも.ようはそのサービスとかアイデアのコアになる哲学がぶれなければよいということだと思う.
まあ,でもこれはあるスレッショルドを超えた人だけが言えることかもしれないって思う.
これは!って思ったことだけメモしておく.
開発について
開発者が作る
- 開発者が企画してつくる
- サービス作りたかったら自分で作れ
少人数で作る
- 1人で作る
- 新しいことの正しさは,あなたにしかわからない
- 哲学の投影
短い時間でつくる
- スピード重視
- ウェブなんだから
- 100%の品質より90%でスピード
この「1人で作る」理由は,100人のうち20人位はそんなの流行るわけないじゃんって否定的な事を必ず言うし,本当に新しければ新しいからこそ,誰にもその価値はわからないし,やってみないとわからないから.そして,たとえ2人とかで作ってたとしても,アグレッシブな部分とかが平均化されちゃって無難なモノになりがちだから.
一人で妄想することは大事だとも言ってた.また長い間妄想していると,だんだん自分のアイデアに対して疑心暗鬼になったりしてくるから,とにかくすぐ作って公開するほうがいいと.
サービスについて
継続する
- 1年とか2年とかかけて育てる
- 細かく細かく毎日値改善
ずっと腰を据えて続けていって,やっと徐々に流行ってくるということ.
経験から得られたこと
「ビジネスプランがないと…」
- 後から考えれば良い
- トラフィックがあればどうにでもなる
「いっぱいトラフィックが来たら…」
- まず来ない
- 小さくはじめて大きく育てる
「日々の業務が忙しくて…」
- ほんとに?
- 実はそんなことはない.言い訳.
- 2,3日休んでみるとか
- 1ヶ月どっかいってみるとか
「仮にこうで…こういう風に予測が…」
- やってみて結果をみよう
- トライ and エラーで調整するのが最良の近道
「一発作って動かしとけば人集まるようなサービスが理想だけど…」
- 継続しないサービスは流行らないの法則
自分でWebサービスを作っていこうという人(自分も含めて)には,大変参考になり勇気を与えてくれる話だった.伊藤さんの生の話が聞けてほんと感動したし,「はてな」をえらんでよかったと思った.