なぜあの人は会社を辞めても食べていけるのか?
なぜあの人は会社を辞めても食べていけるのか?―会社にいても、飛び出しても、うまくいく人の考え方・仕事のやり方 (アスカビジネス)
- 作者: 藤井孝一
- 出版社/メーカー: クロスメディアパブリッシング
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
「本書を読めば,必ず起業して成功できます!」ということではなく,「ここに書いてあることすら知らずに会社を飛び出せば,必ず失敗します」という本である.
著者は週末起業 (ちくま新書)で有名な藤井孝一さんですが,サブタイトルにあるように,「会社にいても,飛び出しても,うまくいく人の考え方・仕事のやり方」が書かれている.ようは仕事ができる人の基本的な部分はどちらも同じだ,ということなのだろう.
ポイントは,ズバリ5つの力だ.
- 稼ぎ力
- 人間力
- お金力
- 時間力
- 継続力
本書がすばらしいのは,現役サラリーマンからみた起業家を目指すためのアプローチ・考え方がわかりやすく書かれている点だ.たとえば,サラリーマンを辞めても起業家という「職業」に就けるわけではないとか.実務よりの話だと,会社におんぶに抱っこの「ぶら下がりーマン」は,見積書,請求書,事業計画書, BS/PL,税金についても知っておかなければならないなど.これは藤井さん自身がサラリーマン,週末起業,独立起業という経験をしてきている,また週末起業フォーラムで多くのサラリーマンと接してきているからこそだろう.
なんとなく,独立・起業を考えているビジネスパーソンにはまさにもってこいの1冊である.
メモ
稼ぎ力
- 稼ぐために必要なこと
- 「構想力」「構築力」「行動力」
- 「始める力」「続ける力」
- サラリーマンと起業家の違い
- 労働に対する報酬か成果に対する報酬
- 自分が正しいと思っているやり方を自分のやり方でやりたい人か,そうでない人か
- 安定を犠牲にしてでも自由を手にしたいのか?安定は失いたくないので,我慢するのか?
- 置かれた状況や環境を変えていける人
- 会社にいながらでも起業家的に行動する
- 小さいビジネスを体験して,お金を稼ぐ側に立ち位置を変えてみる(フリマ,オークション)
人間力
- 会社の肩書き抜きで付き合える人になる
- 失敗はすべて自分のせいにする
- 新しいビジネスは「アイデアありき」よりも「人ありき」
- 「いろんな人と知り合うことで,その人と新しい仕事が始まる」ことに価値がある
お金力
- 儲けのツボ: 主要成功要因(KFS:Key Factor of Success)を見極める訓練をしておく
- 事業計画書(ビジネスプラン)をつくってみる.
- 何を売るか?
- 誰に売るか?
- どうやって売るか?
- 複数のビジネスを持つ
- 財務諸表(PL,BS),税金の知識をつける
時間力
- 時間を買うメリットを熟知している
- 時間の切り売りではお金を稼げない
- 投じた時間に応じて売上が増えるビジネスではなく,割いた時間とは無関係に売上を増やすことができるビジネスをつくる
継続力
- 自分が目指す人と付き合うこと