アート・オブ・プロジェクトマネジメント (4)
アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)
- 作者: Scott Berkun,村上雅章
- 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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4章 優れたビジョンを記述する
優れたビジョンに備わる5つの品質
- シンプル
- 意図重視(目標駆動)
- 統合
- 閃き
- 覚えやすい
目標を的確に記述することで,明確な意図がメンバーに伝わるのはもちろんのこと,目標そのものや,目標を裏付ける根拠に関する十分な情報を提供することができるようになります.これにより,メンバーは,目標達成に役立つ作業とそうでない作業を簡単に見極めることができるようになるとも述べられています.
「統合」とは,無作為にさまざまな参考文献を取り込むことではなく,計画の背後にある補助的な資料等は一箇所にわかりやすくまとめておき,いつでも深く掘り下げるために参照できるようにしておくことです.
「覚えやすい」,実はこれとても重要ですね.ビジョンが何度も読み返さないと理解できないような代物であるなら,十中八九,誰も覚えてないでしょう.「覚えてない」=「意味がない」 ということです.
これらの根底にある Scott Berkun の思想が,「シンプルであること」なのだと思います.
洗練されたアイデアをシンプルな形で表現するということは,思っているよりもずっと大変なことなのです.
とシンプルであることの難しさを説明し,優れたビジョンのドキュメントはたいてい短く読みやすいものとなっていると述べています.
質の低いビジョンの一覧
- 台所の流し台(何でも流せる)型
- 意味不明型
- 超弱気型
- 役員が言った型
これ要チェックだと思います.本書で確認しておくべきでしょう.
また,ビジョンはビジュアルになっているべきとして,数多くの複雑なコンセプトやアイデアがある場合は,なおさらイメージを使ってシンプルに伝えることが非常に重要であると示唆しています.
参考文献
- 「創造者たち」
- 「大発見 - 未知に挑んだ人間の歴史」
- 「なぜ「あれ」が思い出せなくなるのか - 記憶と脳の7つの謎」