レバレッジ・シンキング / 本田直之

「労力」「時間」「知識」「人脈」という四分野に自己投資し,パーソナルキャピタル(自己資産)を構築し,レバレッジ(てこの原理)をかけて,不労所得的に成果を上げ,”Doing more with less”(少ない労力と時間で大きな成果を獲得する)を実現するという考え方を,レバレッジ・シンキングという.

成果 = パーソナルキャピタル × マインド

注意すべきは,マインドだけ高めてしまい自己啓発のための自己啓発になってしまう人が多いこと.マインドは資産ではない.

この公式,稲盛和夫さんの公式とよく似ている.

人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力
能力,熱意 : 0〜100, 考え方 : -100〜100

レバレッジ・リーディングを読んでなるほどと思えた人は,本書もやはりなるほどと思えるだろう.また,レバレッジ時間術は,本書を読めば実は不要(僕は本田氏の本は好きなので読んだけど).

本書は前著2冊のまとめ的な本+αであり,より本質的なレバレッジの思考について書かれているので,なんにでも応用でき最も価値が高い.3冊の中でも,ダントツで本書がもっともレバレッジが利く本である.もし,3冊いずれも読んでないなら,本書だけは絶対読むべき.この内容で1450円ははっきり言って安すぎ!

メモ

労力のレバレッジ

  1. 仕組み化 : マニュアル,フォーマット
  2. 無意識化・習慣化 : 小習慣→大習慣,習慣チェックリスト,数値化
  3. KSF(Key Seccess Factor)を見つける : 俯瞰逆算思考
  4. 二毛作(並列処理),言葉(自己暗示),エクササイズ(体調キープ)

「続ける」技術「儲かる仕組み」をつくりなさい----落ちこぼれ企業が「勝ち残る」ために脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)





時間のレバレッジ

  1. 俯瞰逆算思考 : TODO(パッシブ),TASK(アクティブ)
  2. 時間のルーチン化 : 時間割=アセット・アロケーション(インプット,アウトプット,生活,プライベート)
  3. 自己投資時間の天引き
  4. 時間制限
  5. 固定費の効率化 : 固定費=ルーチンワーク,定例Mtg,睡眠,食事,通勤,変動費=自由時間
  • 「この仕事をやるのに○時間かかる」 → 「この時間の中でこの仕事をやる」という発想転換
  • 「時間があるから仕事はできない.時間がないから仕事はできる」
  • 変動費を削る=自己投資時間を減らす,固定費時間が増える,ベースは下がらない
  • 固定費を削る=損益分岐点が下がる.利益が出る.

時間の分子生物学 (講談社現代新書)仕事ができる人の「段取り」の技術レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 (幻冬舎新書)





知識のレバレッジ

  1. 前例に学ぶ
    • メディア(書籍,新聞,雑誌,テレビ,ウェブ)
    • スクール,セミナー,通信教育
    • 体系立っていないノウハウ,他人の経験
  2. 効果的に生かすテクニック
  3. レバレッジ・ミーティング
  • 労働人口のうちビジネス書を読んでいる人は,わずか0.46%.(労働人口 6542万人に対し,年間トップセラーとなるビジネス書の部数は30万部) ←かなり乱暴な計算だけど
  • 「ゼロから1」ではなく「1から100」がレバレッジ
    1. 『V字回復の経営』とそのレバレッジメモを渡す : 共通意識・共通言語,共通レベル,重要ポイントを伝える
    2. アンケートをとる(自分がどのタイプの社員か?) : 当事者意識
    3. 合宿Mtg : ベクトルがぶれない,質の高い議論
  • レバレッジ・メモ (実践例)
    • いままでの知識と経験から自分なりの仮説を立てる
    • 年末に「経済予測本」20冊読む.今後3年間の見通しを立てる
    1. レバレッジ・メモにまとめる
    2. 1年間メモの内容を検証

無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法アイデアをいただいてしまえ!―模倣はこんなにクリエイティブだレバレッジ・リーディング





人脈のレバレッジ

  1. コントリビューション
  2. パワフル・コネクション : 会を主催しネットワーク化
  3. パーソナル・ブランディング
  4. マインド伝染
  5. 他人の力を借りる(ペースメーカー,フィードバック,経験がポイント)
  • 組織に属している人
    • 何があってもやる気の高い : 20%
    • どちらにでも傾く中間 : 60%
    • 何があってもやる気の低い : 20%
  • 「昼食,夕食は一人で食べない,社内の人と食べない,なるべく高いマインド・意識の人と食事をする」というルール
  • 誰を知っているかではなく,誰に知られているか.
  • 短期ではなく長期スパンで考える.
  • マインドの高い人とのネットワーク.

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その他

  • プロスポーツ選手 トレーニング:80, 試合:20
  • ビジネスマン 自己投資:1, 仕事:99
  • 時代遅れ,または自社のみで通用するパーソナルキャピタルづくりは危険.負債になりうる.