入門!システム思考
- 作者: 枝廣淳子,内藤耕
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/21
- メディア: 新書
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システム思考とは,目の前にあるものだけを見続けるのではなく,物事のつながりや全体像を把握し,そのつながりから生じる長期的な影響をも視野に入れ,システム自身が持つ力を活かし,小さな力でも大きく構造を動かせる介入点(レバレッジ・ポイント)を見つけ,変革をデザインする方法論である.
システム思考自身は,1950年代にMITで確立されたものである.以来,デュポン社,GE,GM,マスターカード,マッキンゼーなど多くの企業で導入されている.
特に目新しい思考法でもなく,意識せずに「システム思考」で自然と考えられる人も多いと思う.ただ,より明確にシステム思考を意識して考えたり,ループ図をサラサラと書けると結構メリットがあると思う.
早速,身近なプロジェクトの問題をループ図にしてみた.かなり複雑にみえた因果関係であっても,そのレバレッジ・ポイント(改善効果がありそうなポイント)が浮かび上がってくる.さらに練習を積んでいけば,より使えそう.
メモ
多くの問題
- ある問題に対する視点の数は非常に多く,それぞれの視点からとった行動の帰結は異なっている
- 問題の多くは,1つひとつのの個別の状況や現象といった要素の中にあるのではなく,要素と要素の間や,さまざまな要素の組み合わせの中にある
2つの思考
- 分析的思考 : 目の前にある問題の要素に分類・分析してき,その要素を変えることで問題の解決を考える従来ながらの方法
- システム思考 : 多様な視点から全体を理解し,要素の関係や組み合わせから問題解決を考える方法
マラリヤを媒介する蚊を殺すためにDDTを撒いた結果,ネズミが媒介する別の伝染病が流行りそうになった.渋滞を減らそうとすると道幅を拡張すると,余計に渋滞してしまう.これらは,全体像を理解することなく,目の前の問題だけを解決しようして分析的思考から行動している結果,起きてしまう.
氷山モデル
- パターン
- 構造 : TQM(byエドワーズ・デミング)
- 意識・無意識の前提
システム思考の基本ツール
- 時系列パターングラフ : 時間経過に伴うパターン
- ループ図 : 因果のつながり,同/逆
- 自己強化型ループ : 変化をどんどん強めていく力が働く
- バランス型ループ : 変化を安定に向けて均衡させる力が働く
知恵と鉄則
- 今日の問題は,昨日の解決策から起きている
- 解決のツボ(レバレッジ・ポイント)は問題から一見遠くにあることもある
- 問題パターンは構造が引き起こしている
- 人を責めない.自分を責めない.
- 世の中には副作用などない.あるのは作用だけ
- システム思考はコミュニケーションツールでもある
システム原型(基本パターン)
変化を起こしやすくするポイント
- 相対的な利点
- わかりやすさ
- 試しやすさ
- 観測しやすさ
- 両立しやすさ
参考
- 「最強組織の法則」
- 「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?」