「思考の生活習慣病」克服法
- 作者: 船川淳志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/02/23
- メディア: 単行本
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上司や部下から,あるいは会議でこんな発言を耳にしませんか?
- 「ここに書いてあることだけでは,わからない」
- 「売り上げ低下はなぜ起きるのでしょう?」「それは,売れないからです」
- 「なぜ,このシステムを使うのですか?」「それはこのシステムだからです」
- 「なぜ集中と選択が必要なのでしょうか?」「社長が言っているからです」もっとひどいのは「集中と選択だからじゃないですか!」
- 「この制度を変えられないといわれましたが,その理由はなぜでしょうか?」「それはやはり,ずっとこの制度だったからです」
もしかして自分がよく言ってたりしませんか?ヤバイですねぇ.思考不全か思考停止に陥ってますよ.
著者の船川淳志氏は,ある研修ビデオをみて知りました.そのビデオは確か2時間近くあったと思うのですが,内容もさることながら,話がとてもうまく説得力がありつい引き込まれてしまい,気がついたら本も買ってました.かなり人気のMBA講師だそうです.最近では,ロジカル・リスニング などが売れているようです.
本書を読んでからというもの,会議での人の意見,もしくは普段の会話に,この病気があまりにも蔓延していることに気づき,気になって気になってしかたない症候群になっております.とくに,頭がイイといわれている人,専門職な人,偉い人,年配の人などに多くみられる気がします.
自分への戒めもこめて書いていますが,治療方法は「この習慣病を改善させるような習慣を身につける」しかありません.本書に書いてあることを,何度も何度も潜在意識に刷り込んで無意識に「考え抜く」クセをつけるしかないと思います.もちろん治療は若いうちがよろしいかと.治療代として本書は格安ですし,絶対オススメです.
思考放棄症の3つのタイプ
- 言い訳型: 「〜なのに,…できるわけがない」
- いじけ型: 「だって自分は〜だから」
- 居直り型: 「それがなんなの?」
思考依存症の4つの原因
- 権威への依存: 水戸黄門メンタリティ
- 集団への依存: 赤信号みんなで渡れば怖くない
- ことばへの依存: buzz word という落とし穴
- 経験への依存: 「ずっとそうだったから」
評価者の思考の歪み
- 自分と似ている
- 過当評価
- 否定的傾向
- ハロー効果(Halo Effect)
- 直近バイアス
- ステレオタイプ化
- 比較効果
- 平均志向
- 情報不足
メタ思考
自分の考えを突き放して眺め,自分の思考活動をモニタリングする.メタ思考,メタ認知という.
- 自分はいま,感情に振り回されていないか?
- 好き,嫌いだけで判断していないか?
- 結論ありきになっていないか?
- もとになる前提の妥当性はあるか?
- 論理的に組み立てているだろうか?
- 固定的なステレオタイプにとらわれていないか?
- 一般化していないだろうか?
- 自分が信じている原因のほかに要因はないだろうか?
思考を活性化する「7つの基礎習慣」
- 頭の初期設定を変える習慣: 思考力に限界はない = 考え抜けば答えは出る
- 一問一答の呪縛を解く習慣: 一問十答,一問百答 = 正解は一つではない
- 両面思考の習慣: 同じものごとのプラスとマイナスをみる
- ことばを研ぎ澄ます習慣: ことばの置き換え,ことばの因数分解
- 思考を柔軟にする習慣: 思考モードのシフト = スピードとしつこさ,拡散と収束,抽象化と具体化
- 見えない問題を考える習慣: いつも心に氷山を = 現象だけではなく,水面下にある問題を探る3つの質問
- Why? (なぜ?)
- So what? (それがどうした?ポイントはなに?)
- What if? (もし,仮に〜なら?)
- 自己認知力を高める習慣: 汝自身を知れ = 自分の思考の枠,色眼鏡を自覚せよ
メモ
- クリエイティブ思考とクリティカル思考
- 分ける・まとめる・置き換える