「思考の生活習慣病」克服法

考えるプロが明かす「思考の生活習慣病」克服法

考えるプロが明かす「思考の生活習慣病」克服法

上司や部下から,あるいは会議でこんな発言を耳にしませんか?

  • 「ここに書いてあることだけでは,わからない」
  • 「売り上げ低下はなぜ起きるのでしょう?」「それは,売れないからです」
  • 「なぜ,このシステムを使うのですか?」「それはこのシステムだからです」
  • 「なぜ集中と選択が必要なのでしょうか?」「社長が言っているからです」もっとひどいのは「集中と選択だからじゃないですか!」
  • 「この制度を変えられないといわれましたが,その理由はなぜでしょうか?」「それはやはり,ずっとこの制度だったからです」

もしかして自分がよく言ってたりしませんか?ヤバイですねぇ.思考不全か思考停止に陥ってますよ.

著者の船川淳志氏は,ある研修ビデオをみて知りました.そのビデオは確か2時間近くあったと思うのですが,内容もさることながら,話がとてもうまく説得力がありつい引き込まれてしまい,気がついたら本も買ってました.かなり人気のMBA講師だそうです.最近では,ロジカル・リスニング などが売れているようです.

本書を読んでからというもの,会議での人の意見,もしくは普段の会話に,この病気があまりにも蔓延していることに気づき,気になって気になってしかたない症候群になっております.とくに,頭がイイといわれている人,専門職な人,偉い人,年配の人などに多くみられる気がします.

自分への戒めもこめて書いていますが,治療方法は「この習慣病を改善させるような習慣を身につける」しかありません.本書に書いてあることを,何度も何度も潜在意識に刷り込んで無意識に「考え抜く」クセをつけるしかないと思います.もちろん治療は若いうちがよろしいかと.治療代として本書は格安ですし,絶対オススメです.

思考放棄症の3つのタイプ

  1. 言い訳型: 「〜なのに,…できるわけがない」
  2. いじけ型: 「だって自分は〜だから」
  3. 居直り型: 「それがなんなの?」

思考依存症の4つの原因

  1. 権威への依存: 水戸黄門メンタリティ
  2. 集団への依存: 赤信号みんなで渡れば怖くない
  3. ことばへの依存: buzz word という落とし穴
  4. 経験への依存: 「ずっとそうだったから」

評価者の思考の歪み

  • 自分と似ている
  • 過当評価
  • 否定的傾向
  • ハロー効果(Halo Effect)
  • 直近バイアス
  • ステレオタイプ
  • 比較効果
  • 平均志向
  • 情報不足

メタ思考

自分の考えを突き放して眺め,自分の思考活動をモニタリングする.メタ思考,メタ認知という.

  • 自分はいま,感情に振り回されていないか?
  • 好き,嫌いだけで判断していないか?
  • 結論ありきになっていないか?
  • もとになる前提の妥当性はあるか?
  • 論理的に組み立てているだろうか?
  • 固定的なステレオタイプにとらわれていないか?
  • 一般化していないだろうか?
  • 自分が信じている原因のほかに要因はないだろうか?

思考を活性化する「7つの基礎習慣」

  1. 頭の初期設定を変える習慣: 思考力に限界はない = 考え抜けば答えは出る
  2. 一問一答の呪縛を解く習慣: 一問十答,一問百答 = 正解は一つではない
  3. 両面思考の習慣: 同じものごとのプラスとマイナスをみる
  4. ことばを研ぎ澄ます習慣: ことばの置き換え,ことばの因数分解
  5. 思考を柔軟にする習慣: 思考モードのシフト = スピードとしつこさ,拡散と収束,抽象化と具体化
  6. 見えない問題を考える習慣: いつも心に氷山を = 現象だけではなく,水面下にある問題を探る3つの質問
    • Why? (なぜ?)
    • So what? (それがどうした?ポイントはなに?)
    • What if? (もし,仮に〜なら?)
  7. 自己認知力を高める習慣: 汝自身を知れ = 自分の思考の枠,色眼鏡を自覚せよ

メモ

  • クリエイティブ思考とクリティカル思考
  • 分ける・まとめる・置き換える